10 BABYMETAL Legends - Legend IX
メタルの銀河で起きた奇跡
A miracle in the Metal Galaxy
METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY
2020年1月25・26日、幕張メッセ国際展示場1~3ホールで開催した「LEGEND - METAL GALAXY」は、ワタクシ的にBABYMETAL のベストライブを争う内容である。
このLEGENDは、神がかっていた。
1stアルバムでいうところの日本武道館公演、2ndアルバムの東京ドーム公演、3rdアルバムでいうところの節目となるLEGENDがこの幕張メッセだ。「2DAYSでかぶり曲一切なし。一度きりの演出」 という東京ドーム公演のセルフオマージュになった。
曲かぶりなしとなると、1日12曲ならば、2日で24曲分の演出と映像のプログラミングが必要となり、THE FOX GOD CREWの作業量は2倍になる。本番日は連続しているので、すべてを24時間以内に完遂させなければならない。もちろん、メンバーもパフォーマンスやステージングに関して、すべて2倍で覚えなければならない。2倍労力のかかることでもやり切るのは、1st アルバムから数えて3回目ともなると、もはやBABYMETALにとってはスタンダードなことになっていた。
演出のストーリーは、3rdアルバム『METAL GALAXY』のテー マに沿って、2枚組で表現した「太陽と月」をテーマに、二面性をイメージして、DAY-1はLIGHT SIDE、DAY-2はDARK SIDE、とセットリストを組んでいった。
幕張メッセでオールスタンディングというのは、2015年の「TRILOGY」以来であるが、大会場ならではのステージと客席の距離感が出てしまうことは避けたかった。幕張メッセという巨大な会場の中で、なるべく疎外感がないように、誰もがBABYMETALの世界に没入している空間をつくりたいと思っていた。
すべての人がBABYMETALの世界に没入するには?
センターステージのような、オーディエンスがステージを囲むアイデアもあったが、イメージしていたセンターステージをセッティングするには幕張メッセの構造的にクリアしなければならない部分があって選択肢からは外れた。では、エンドステージだとどうだろう?やはり、かなりの距離を感じてしまう。そういう条件の中で出たアイデアが、「端から端まで全員見える」巨大なLEDスクリーンを設置するということだった。
BABYMETALは、2014年あたりからステージに LEDスクリーンを取り入れているが、数々のライブ演出を通じて効果的なスクリーンの使い方を検証してきた。2017年の「BABYMETAL巨大キツネ祭り in JAPAN」、2019年の「METAL GALAXY WORLD TOUR」 など、これまで使用していたLEDスクリーンの演出を超える、さらなる進化版にしたいと考えた。
On January 25 & 26 of 2020, “Legend Metal Galaxy” was held at Makuhari Messe International exhibition Hall 1-3. In my opinion, it was one of BABYMETAL’s best shows.
This Legend really was a godsend.
The 1st album’s Budokan performance, the 2nd album’s Tokyo Dome performance, and the 3rd album’s milestone Legend at Makuhari Messe - the 2-day non-repeating format was a self-homage to Tokyo Dome.
The Fox God Crew’s workload was doubled with 12 songs per day, requiring 24 songs of production and video programming over the course of 2 days. Since the performance days were consecutive, everything had to be completed within 24 hours. And of course, the girls also had to learn everything relating to the performance and staging twice as fast. It’s become a standard for BABYMETAL to complete a two-night show, something that takes twice as much effort, for the third time since the first album.
The story of this performance was based on the theme of the 3rd album Metal Galaxy, with the “Sun and Moon” expressed in the 2-disc set - the setlist was arranged with the image of duality, with Day 1 on the Light Side and Day 2 on the Dark Side.
We hadn’t performed at the Makuhari Messe in an all-standing venue since the Trilogy in 2015, and we wanted to avoid the sense of distance between the stage and the audience, which is a common issue at any large-scale venue. In the huge venue, I wanted to create a space where everyone could immerse themselves in the world of BABYMETAL without a sense of alienation, as much as possible.
How do you immerse everyone in BABYMETAL’s world?
I had the idea of having the audience surround a stage built at the center of Makuhari Messe, but in order to build the center stage we originally had in mind, there were some structural problems that couldn’t be overcome, so it wasn’t an option. How about an end stage, then? After all, it would extend out quite long. The idea we came up with, under the circumstances, was to set up a huge LED screen that could be seen by everyone from one end to the other. BABYMETAL has been using LED screens on stage since around 2014, and we’ve confirmed their effectiveness through many shows. We wanted to create a more advanced version of the LED screen, compared to the ones we had used in the “BABYMETAL Five Fox Festival in Japan” in 2017, or the “Metal Galaxy World Tour” in 2019.
BABYMETALの巨大LEDステージ、極まる!
BABYMETAL’s ultimate stage with gigantic LED screens!
「幕張メッセの壁一面をLEDスクリーンで埋め尽くしたい!」
検証を重ねる中で発したその一言が、最終的には形になった。
“壁一面”といっても、普通の建物の壁一面のイメージとは異なり、端から端まで移動するのに自転車が必要なくらいなのだ。幕張メッセで東京ドームクラスの枚数のLEDパネルを使ったのは初めてではないか?といわれるほど巨大で、リハーサルでスクリーンに明かりがともったときのインパクトは、正直ワタクシもびっくりした。
「誰もが見えるように」とはいえ、壁の端から端までLEDにする必要はなかったとは思う。もっとサイズを縮めても、一番後ろのオーディエンスまで十分に見えるはずだ。しかし、中途半端に振り切れていないのは BABYMETALらしくない、しょぼいだろう、と感じてしまった。どこかに集中投下した一点豪華主義で、「馬鹿なんじゃないの?」と言われるほど振り切った、そういう部分がないと BABYMETALらしくない、と同じくTHE FOX GOD CREW の皆さんも感じていたのだ。
LEDを壁一面にした次のステップとして、メタルの銀河の中に没入してもらうには、映し出す映像、スクリーン、そして照明のバランスが大切だ。どれも視覚的に刺激的なものなので、引き算の作業が必要だった。そのための細かい検証にも時間をかけた。
DAY-1は、LIGHT SIDEをテーマに構成されていた。3rdアルバ ム『METAL GALAXY』のオープニングを飾る「FUTURE METAL」で幕を開けたが、巨大LEDスクリーンに映し出される映像のインパクトは強烈で、のっけから没入感は MAXになった。そのままアルバムの曲順と同じく「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」へと続いた。序盤でLEDスクリーンのインパクトが際立ったのが、「Oh! MAJINAI (feat. Joakim Brodén)」だろう。楽曲にもゲスト参加していただいたSabatonのヨアキム・ブローデンさんに、映像にもゲスト出演していただいた。2018年開催の「DARK NIGHT CARNIVAL」に出演した Sabatonのパフォーマンスが、日本の BABYMETALファンにも受け入れられている姿を見て、生粋のエンターテイナーだと感じたのであった。インパクトの強いキャラのヨアキムさんのヴィジュアルとファニーなパフォーマンスが大量発生する、強烈なインパクトを放つ映像が巨大LEDスクリーンに大写しになり、会場中がヨアキムさんに釘付けになってメンバ ーが嫉妬するなんてエピソードもあった。しかし、それはそれで BABYMETALらしいバットの振り切り方なのだろう。あの大画面で中途半端な映像はもったいない。その後に発売されたライブ映像作品やライブでは、メンバーのパフォーマンスもしっかりと見えるのだが、初披露ということも相まって、結果的にはものすごいインパクトを残すことになった。
中盤にも印象的なシーンがあった。初披露した「Brand New Day (feat. Tim Henson and Scott LePage)」である。この曲自体は BABYMETALの新たな扉を開いた楽曲であったが、演出面でもこれまでと違った新たなチャレンジがしたいと考えていた。
この曲を聴きながら、演出のイメージを考えていたときに、ふとマイケル・ジャクソンのことを思いだしたのだ。マイケル・ジャクソンがライブのオープニングで登場してから、1分39秒間微動だにせず、ずっと立ったままだったという伝説のエピソードがある。その立ち姿のシルエットだけでみんながギャーッと悲鳴をあげる。本物のスターは、ただ立っているだけでもスターなのだ。
では、BABYMETALならどうするか? 表現力を極め、指先から足先まで、髪の毛の揺らぎ、凛としたたたずまい、といったシルエットだけでも「やはり BABYMETAL!」とうならせるような魅せ方ができないか?」
そのときに考えたのが、ライブやフェスにおいて、サービス映像と呼ばれるスクリーン上にテレビの生中継のようにステージ風景を映し出すシステムがあるのだが、これをなるべく減らして、リアルなメンバーの姿にフォーカスしたいと思ったのだ。サービス 映像の功罪でもあるのだが、オーディエンスにとってもスタッフにとっても見やすく便利なシステムなので、ついついステージ上のアーティストから目をそらしてしまい、アップに頼りがちな映像をタレ流すスクリーンばかり追うことが多くなってしまう。見る者も見せる者も、ラクをしてしまうのである。
「Brand New Day (feat. Tim Henson and Scott LePage)」は、あえてシルエットをメインにした構成で、実像が作り出すシルエットと背景の映像の世界とのコントラストを作った。その姿は、美しく、力強く、実に新鮮だった。
他にも初披露となった「Night Night Burn!」など見どころはあったのだが、艶やかさやしなやかさなど、BABYMETALの新たな一面を見せる公演だった。
DAY-2は、前日のLIGHT SIDEから一転してDARK SIDEへ。「前日とは別のグループとして生まれ変わってライブをやるような意識で臨んでほしい」とメンバーにも伝えていた。演出もガラッと変え、 バンドも DAY-1は東の神バンド、DAY-2は西の神バンド。たった1日の違いでこんなにも変わるのか?そういう対比が BABYMETALらしさではないかと考えた。
ワタクシ的なDAY-2の最初のハイライトは、1曲目「IN THE NAME OF」の儀式からスタートして「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」へと続く流れだ。
「Distortion」のミュージックビデオは本人たちが出演しない作品であったが、DYSTOPIAの世界を舞台にTHE CHOSEN SEVENのイメージキャラクターが出演した内容で、壮大なCGとともに映画のようなクオリティーの高い作品となった。あの世界観をミュージックビデオだけでとどめておくのはもったいない、いつかリアルなメンバーと映像を融合させて、「Distortion」の世界観の中にメンバーを登場させたいと考えていたのだ。
そして、ついにこの幕張メッセで実現することになった。リアルなライブの中で映像と融合させるという形だが、それができたのは、全面LEDのスクリーンに映し出される赤く染まった DYSTOPIAの世界、照明も全て赤、スクリーンに映し出されるリアルタイムなメンバーの姿にも赤いフィルターをかけて、真っ赤な世界を作り出した。DARK SIDEのTHE CHOSEN SEVENから生まれた「Distortion」が、紆余曲折を経てついに完成した瞬間に震えた。
魂の叫び、怒涛の煽り。
DAY-1の LIGHT SIDEのテーマがしなやかさであるとすれば、 DAY-2のDARK SIDEのテーマは力強さであった。特にこの日の 「Distortion」や「ヘドバンギャー!!」はこれまでの中で最高に力強いものとなった。DAY-2の口火を切った「Distortion」で、「今日のBABYMETALは何かが違う」と印象付けるシーンがあった。DYSTOPIA の赤い世界に支配された幕張メッセのオーディエンスに対して、前日のBABYMETALとはまったく異なる殺気のようなものを放ちながら、クールにクラップを求めるメンバーのアクション、LEDスクリーンに映し出される SU-METALの鋭い眼光。その中で、いつもは客席を全身で煽ってくるSU-METALはまったく言葉を発せず、スッと立ったまま、フロアを操るように眼球を動かす。「わかってるだろうな」みたいな目つきで、ゆっくりと指をグルグルと回して扇動する。無言の煽りが続き、ピークへと近づくと「スクリーム!」という魂の叫びを発して会場は爆発した。
ひと回りもふた回りも。
この瞬間、「今日は勝ったな!」とワタクシは確信したのである。
「ヘドバンギャー!!」では、東京ドーム以来の長丁場となる土下座ヘドバンが繰り広げられた。「全員土下座ヘドバンするまで止めないぞ!」というメンバーの意気込みのもと、MOAMETALもフロアを指しながら土下座ヘドバンを煽っていく。久しぶりにキツネ様の遣いである骨も登場し、客席フロア内に降り立つとオーディエンスと一緒に土下座ヘドバンの先導役となったのである。
新しい生物が誕生した感じがしたのだ。
この日初披露となった「BxMxC」も実際にライブでパフォーマンスするまでは未知数な部分も多かったが、イントロが鳴った瞬間に地鳴りのような歓声が巻き起こり、異様な熱気に包まれた。 西の神バンドから放たれるすさまじい重低音のサウンドも加勢し、そこにSU-METALのストレンジラップが相まって......NEW TYPEのブルータルラップメタルの誕生であった。
ちなみに、DAY-2の後半戦で披露した、アルバムのラストを飾った「光3部作」と呼ばれる3曲もハイライトであった。「Starlight」で漆黒の闇の中に一筋の光が表れて、「Shine」でその光の世界が広がり、「Arkadia」で理想郷へと光が導いてくれる......「Starlight」 「Shine」ラスト曲「Arkadia」の流れで、輪廻のような無限ループを描いているのである。この日のライブで初めてアルバムと同じ流れで3曲を演奏した。東京ドームで「Tales of The Destinies」から 「THE ONE」と続けて演奏した組曲のセルフオマージュでもあった。
“Let’s cover the entire wall of Makuhari Messe with a LED screen!”
These words I uttered as we discussed feasible things to do for the performance became reality.
“The entire wall” is not the same as the wall of a normal building - you’d need a bicycle to get from one end to the other here. It was so huge that it was said to be the first time that Makuhari Messe used Tokyo Dome-grade LED panels. To be honest, I was surprised at the impact when the screen was lit up during rehearsals.
It probably wasn’t necessary to set up an LED screen from one end to the other, even if “everyone needs to be able to see it”. Even at a reduced size, the audience at the very back still would have been able to see it clearly enough. However, I felt it wasn’t like BABYMETAL to do things halfway; that would have been too dull. It’s not like us to lack a singular point of focus, and the members of the Fox God Crew also felt likewise.
As the next step after the wall of LEDs, it was important to find the right balance between the images, screen, and lighting to immerse the audience in the Metal Galaxy. Since everything is visually stimulating, subtraction becomes necessary. We spent a lot of time examining the details to achieve this.
The Light Side was Day 1’s theme, opening with “FUTURE METAL”, the opening song of the 3rd album, and the impact of the images projected on the immense LED screen was so strong that the sense of immersion was at its maximum right from the start. The show continued with “DA DA DANCE” in the same order as the album. “Oh! MAJINAI” was the one where the impact of the LED screen stood out in the beginning. Joakim Broden of Sabaton, who featured in this song, made a guest appearance in the video as well. When we saw that Sabaton’s performance at the 2018 Dark Night Carnival was accepted by Japanese BABYMETAL fans, it was clear they were genuine entertainers. The visuals of Joakim’s character with a strong impact and his funny performance was captured on the screen, and there was an episode where everyone in the venue was captivated by Joakim, which made the girls jealous. However, that’s how BABYMETAL should take on each at-bat. It would be a shame to show a half-baked video on that big of a screen. In the pro-shot videos released afterwards, the girls’ performances could be seen more clearly, but the first live performance of the song resulted in a tremendous impact due to utilization of the huge LED screen.
(“Oh! MAJINAI” at Legend Metal Galaxy Day 1)
The debut performance of “Brand New Day” was another impressive scene in the middle of the show. This song opened a new door for BABYMETAL, as we wanted to take on the challenge of creating something fresh and different, in terms of direction.
As I was listening to the song and thinking about the image to create for the live performance, I suddenly thought of Michael Jackson. There’s a legendary episode where he stands still for 1 minute and 39 seconds after appearing on stage to open a concert. Just the silhouette of him standing there was enough to make everyone scream. A real star is a star, even if they’re just standing there.
So what should BABYMETAL do? Would it be possible for the girls to master the power of expression and create silhouettes from their fingertips to their toes, from the flick of their hair to dignified demeanor - in a way that would be immediately recognizable as “BABYMETAL” charm?
At the time, I thought of focusing on the girls by reducing the use of the “service video”, which is a system that shows the scenes on the stage, like a live broadcast used for concerts and festivals. One of the strengths and weaknesses of the service video system is that it’s so convenient and easy for both the audience and the staff to see, that we tend to look away from the actual artists on stage, only following the screen, which tends to rely on close-ups. It’s a lot easier for both the viewer and performer.
The composition for “Brand New Day” had the audacity to focus on their silhouettes, creating a contrast between the silhouettes created by the real image, and the world of the background video. Their silhouettes were beautiful, powerful, and truly refreshing.
There were other highlights such as the debut of “Night Night Burn!”. Overall, it was a performance that showed a new side of BABYMETAL in terms of brilliance and versatility.
(“Brand New Day” at Legend Metal Galaxy Day 1)
Day 2 contrasted with the previous day’s Light Side, turning to the Dark Side. I told the girls that I wanted them to approach this performance as if they were reborn as a different group compared to the previous day. The atmosphere was completely changed, while the Kamis from the East played on Day 1, and the Kamis from the West on Day 2. How could we make one day completely different from the other? Such a contrast is the essence of BABYMETAL.
Personally, one of the highlights from Day 2 was the ritual of the first song “IN THE NAME OF”, followed by “Distortion”.
The girls themselves didn’t perform in the music video, but it was set in the world of Dystopia, featuring the image characters of The Chosen Seven in a spectacular movie-like MV. It would have been a shame to only use that worldview in the music video and I wanted to harmonize the real girls with the video, having them appear in the world of “Distortion” some day.
And now, it was finally coming to life at Makuhari Messe. The world of Dystopia was projected in red on the LED screen; the lights were all red, and the real-time images of the girls on screen were also filtered in red to create a crimson world. There was a shudder when “Distortion”, a song born from The Chosen Seven of the Dark Side was finally completed after enduring many twists and turns.
It’s a cry of the soul, a raging agitation.
(Indeed, “Distortion” is very red)
If the theme of Day 1’s Light Side was versatility and flexibility, the theme of Day 2’s Dark Side was strength. On this day, “Distortion” and “Headbanger!!” were the most powerful performances of these songs by far. There was a scene in “Distortion” in the opening of the second day, telling the audience that “Something’s different about BABYMETAL today”. Dominated by the red world of Dystopia, the crowd was treated to the action of the girls calmly demanding claps from the audience with a deadly intense energy that was in stark contrast to the previous day’s BABYMETAL, while SU-METAL’s sharp gaze was projected on the LED screen. In the midst of it all, SU-METAL, who normally hypes up the audience with her whole body, didn’t say a single word - but stood straight and tall, manipulating the floor through the movement of her eyes. With a “you know what I want” expression, she slowly twirled her fingers to incite the audience. Approaching the peak of the performance, she let out a soulful cry, “SCREAM!”
At her command, the venue exploded into a frenzy of circle pits beyond our wildest imagination.
At that moment, I was convinced that we had prevailed on this day.
“Headbanger!!” saw the longest bowing sequence since the Tokyo Dome performance. The girls demanded that “We won’t stop until everyone is on their knees!”, as MOAMETAL pointed to the floor, inciting everyone to headbang on the ground. For the first time in a long while, the messengers of the Fox God - the Babybones - appeared in the venue, leading the audience in the bowing headbanging.
It was as if a new creature had been born.
Although we were uncertain how well “BxMxC” would be received, the moment the intro sounded, the crowd cheered so strongly that it was like the Earth was rumbling, enveloping us in an extraordinary passion. The tremendous bass sound from the Western Kamis also added to the sound, and combined with SU-METAL’s special rap to create a new type of brutal rap metal.
Incidentally, the three songs performed at the end of Day 2, also known as the “Trilogy of Lights”, which also decorated the last part of the album, were another highlight of the show. “Starlight” revealed a ray of light in the darkness. “Shine” expanded the world of light, and “Arkadia” led us into a utopia… “Starlight”, “Shine”, and the closer “Arkadia” formed an infinite loop, like a samsara. It was the first time the three songs had been performed live in this sequence, as on the album, in a self-homage to the suite played at Tokyo Dome, going from “Tales of the Destinies” into “THE ONE”.
(NOTE: “Samsara” is a way to describe the concept of rebirth and "cyclicality of all life, matter, existence", a fundamental belief in most Indian religions. Popularly, it is known more simply as “the cycle of death and rebirth”)
BABYMETAL、オールスター大集合
A gathering of BABYMETAL All-Stars
「LEGEND - METAL GALAXY」を通した大きなハイライトは、DAY-1、DAY-2それぞれの LEGENDを締めくくるラスト曲であろう。これまでBABYMETALを支えてくれた3人のアベンジャーズ、 東の神バンド、西の神バンドといったオールスターが大集合し、 大団円を迎えたシーンである。
DAY-1のラスト曲は「Road of Resistance」。暗転の中、ストーリームービーからおなじみの、合戦に出陣するイントロへと変わり、 いざ照明がついてステージ上が明るくなると、なんとオールスターが大集合しているというわけだ。
SU-METAL、MOAMETAL とともに3人のアベンジャーズを加えた5人編成、神バンドもダブルドラムにダブルベース、クアトロギターという豪華っぷりだ。オープニングでは5人がレジスタンスの旗を広げてポーズを決め、間奏では4人のギターの神が交互にギターソロを披露するなど、 これまでに見たことのないツアーファイナルにふさわしい景色が広がっていた。
DAY-2のラスト曲は「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。しばらく披露される機会がなく封印されていたのだが、ここにきて復活したのである。DAY-2の「光3部作」のラスト曲「Arkadia」が終わり、イ ンターバルを挟んでから、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のストーリー ムービーが流れ始めた瞬間。
「グウォオオオオオオオオ!!!」と地鳴りのような歓声が巻き起こった。
公演前にセットリストを考えていたとき、「ここで「イジメ、ダメ、ゼッタイ」がきたら、自分がファンだったらものすごく盛り上がるだろうな」と勝負に出たのであるが、想像をはるかに超えた歓声を聞いて、ファンの気持ちとワタクシの気持ちがシンクロしたと感じた瞬間でもあった。
「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の間奏ギターソロの戦いのシーンでは、これまでの戦いのシーンがバージョンアップして、MOAMETAL+アベンジャーズ3人の合計4人で戦う演出を作った。それに合わせて、東西神バンドのギタリスト4人でギターソロを持ち回り、ギターソロと戦いのシーンが四つのパートに分かれ、それぞれシンクロして繰り広げるのだ。この場面は本当に豪華で、1ミリも目を離せなかったのだが、あまりにも豪華すぎて一体どこを見ればいいのかと思わせるほど、圧巻のパフォーマンスであった。エンディングで「We are!」「BABYMETAL!」のコールアンドレスポ ンスを繰り返すシーンを見て、METAL RESISTANCE第8章・第9章の難局を、ステージ上の全員と、THE FOX GOD CREW、そしてファンの皆さんと、全員でひとつ“THE ONE" になって乗り越えてきたんだと実感した。「LEGEND - METAL GALAXY」という節目のタイミングで、さらにオールスター大集合というスペシャルな演出が実現できて本当に良かったと思っている。
改めて、本当にミラクルな2日間だったと感じた。
このオールスター大集合のアイデアは、「10周年のようなアニバーサリー企画のときがいいかな?」と頭をよぎった瞬間もあったのだが、ふと、キツネ様のお告げのような声が降りてきたのだ。
「ここでやらなければ!」
結果的には、10周年の日本武道館までは待たず、「LEGEND - METAL GALAXY」でやるという選択をした。
このような「選択」は今までも何度もあり、そのたびに難しい選択を迫られるわけだが、本当にキツネ様の御加護なのではと思うほどに、結果的には毎回ラッキーな方へ転がっていることが多い。
西の神バンドについては、ヨーロッパツアーへ向かう前に日本に立ち寄り、この幕張メッセ公演に参加するというスケジュールを組むことができた。これまでは東の神バンドが海外公演でプレイしていたので、海外のファンは目の前で東の神バンドのサウンドを楽しむことができていたわけだが、逆に日本で西の神バンドがプレイしたことは一度もなかったので、ぜひ日本のファンの方にも目の前で西の神バンドのサウンドを体感していただきたいという思いもあった。そして、2019年からのライブツアーをサポートしてくれた、キャラクターの異なる3人のアベンジャーズ全員が会する機会もなかったため、いろいろな要素がパズルのようにハマり、BABYMETALの大団円が実現したのだ。
時は2021年。あれから1年以上経ち、「あのとき、やっていなかったら」と考える。
あの日、あのとき、あの瞬間、でなければ、間違いなく「あの大団円は実現することはなかった」と思う。
「LEGEND - METAL GALAXY」は2020年1月25・26日に開催したのだが、我々が日本を離れ、ワールドツアーに旅立ったあと、世の中の状況は急変した。「LEGEND - METAL GALAXY」から約1ヵ 月後の日本では、大きなライブはすべて中止せざるを得なくなってしまったというニュースが入ってきた。たった1ヵ月で、世界はDYSTOPIAへと変わってしまったのだ。今、改めて思い返してみても、あのときのキツネ様のお告げは正しかったのだと思う。
まさに奇跡的なLEGENDであった。
これまでBABYMETALを支えてくれたオールスターが一堂に会し、オールスタンディングの大勢のファンの皆さんと一緒に大団円を迎えられたことに、ワタクシは悔いなし、である。
The highlight of the Legend Metal Galaxy concerts was the last song that closed each day. It was a scene in which the three Avengers that had been supporting BABYMETAL, and the all-star Eastern and Western Kamis gathered together in a grand finale.
The closer for Day 1 was “Road of Resistance”. In the darkness, the story movie described the familiar intro of going into battle - but when the lights came on, the all-stars appeared on stage.
SU-METAL, MOAMETAL, and the three Avengers, plus the entire Kami Band, with double drums, double bass, and quadruple guitars.
In the opening song, the five girls posed with the flag of the resistance unfurled, and in the interlude, the four guitar Kamis performed guitar solos alternately, creating a never-before-seen scene fitting for a tour finale.
All 3 Avengers join Su and Moa for “Road of Resistance” at Legend Metal Galaxy Day 1 |
The closer for Day 2 was “Ijime, Dame, Zettai”. Once sealed away without a chance to be performed, it now made a triumphant return. After the last song of the Trilogy of Lights, there was an interval and the story movie for “Ijime, Dame, Zettai” began to play.
The crowd erupted in cheers “OHHHHHHH!!” like the Earth rumbling.
When I was thinking of the setlist before the concert, I thought that if I were a fan, I would be very excited if “Ijime, Dame, Zettai” appeared here. The cheers surpassed what we had imagined, and it was a moment when I felt that our feelings synchronized with the fans.
For the fight scene in the guitar solo interlude of “Ijime, Dame, Zettai”, the previous fight scene was upgraded, and MOAMETAL and all three Avengers fought. To match this, the four guitarists of the East and West Kami Band took turns shredding guitars, splitting the solos and fight scene into four parts, each unfolding in synchronization. The scene was so gorgeous that no one could take their eyes off of it even for a second, but it was so stunning that you didn’t know where to look. Seeing the repeated call-and-response scene of “We are!” and “BABYMETAL!” at the ending, I felt that everyone on stage, the Fox God Crew, and the fans were all united as “THE ONE” after overcoming the difficult situation of Metal Resistance Chapters 8 and 9. We were overjoyed that this special All-Star gathering at the milestone of Legend Metal Galaxy came to be.
(NOTE: Su & Moa shared their thoughts about the special “Ijime, Dame, Zettai” performance at Legend Metal Galaxy in a 2021 January interview with Young Guitar, which is quite interesting and can be found here.)
Once again, it really was a truly miraculous two days.
The idea for this gathering of all-stars came to me when I was thinking, “Would it be good to do something like this for a 10th anniversary project?” But then a voice came from the Fox God,
“You have to do it here!”
As it turned out, we did indeed choose to do it at Legend Metal Galaxy rather than wait for the 10th anniversary shows at the Budokan.
This kind of “choice” has happened to us many times before, and each time I’ve been forced to make a difficult choice, but the result is always in a lucky direction, as if it really is a blessing from the Fox God.
The Western Kamis were able to schedule this stopover in Japan to participate in the Makuhari Messe show before our tour in Europe. In the past, the Eastern Kamis had played overseas, so international fans could enjoy the sound of a band from the East before their eyes - but the band from the West hadn’t played in Japan before, and I wanted Japanese fans to be able to experience the sound of the Western Kamis in person as well. And since there had never been an opportunity for all three Avengers who had supported the live tour starting in 2019 to meet before, the various elements fell into place like a puzzle, and BABYMETAL’s grand reunion was realized.
We now arrive at 2021. More than a year has passed since then, and I found myself thinking, “What if we hadn’t done it then?” If we hadn’t done it that day, at that time, at that moment, I’m certain that this grand finale would never have been realized.
Legend Metal Galaxy was held on January 25 & 26 of 2020, but after leaving Japan for our world tour, the situation in the world suddenly changed. About a month after Legend Metal Galaxy, we received news that all the big shows in Japan had to be cancelled. In just one month, the world had turned into Dystopia. Now that I think about it again, I believe that the Fox God’s prediction was right.
It really was a truly miraculous Legend.
I have no regrets that the All-Stars that had supported BABYMETAL thus far were able to gather together, and bring about a grand finale with so many fans in an all-standing venue.
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